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【Deadlock】開発の歴史:リークから始まった異例のゲームの現在地

【Deadlock】開発の歴史:リークから始まった異例のゲームの現在地

Deadlockは、ゲームの歴史でも珍しい経緯をたどっているタイトルです。正式発表なし、広告なし、しかも招待制。それでも同時接続17万人を記録し、Steamのウィッシュリスト1位にまで届きました。

さらに珍しいのは、このゲームが一度作り直されていることです。今の「1920年代のニューヨーク×オカルト」という世界観は、最初の企画ではありませんでした。この記事では、その経緯を年表と合わせて追います。

まず年表

時期できごと
2018年ごろ開発開始とされる
2019年Dota 2のコード内に内部名 Citadel が見つかる
2020〜2022年SF路線の Neon Prime として開発。2022年10月に商標登録
〜2023年Neon Prime が開発終盤で中止。作り直しへ
2023年データマイナーが「数百人のテスターがいる」と報告
2024年5月テスターによる大規模リーク。5月下旬に Deadlock を商標登録
2024年8月Steamページ公開・NDA解除。存在を公式に認める
2024年9月同時接続17万人超を記録
2024年10月24日Hero Labs 開始
2025年2月マップ改修。4レーン → 3レーン
2025年5月アイテムショップ刷新。2度目の非公開テスト開始
2025年8月ビジュアル刷新。新ヒーロー6体追加
2025年8月18日Hero Labs 終了
2026年1月22日Old Gods, New Blood。Street Brawl追加、同時接続10万人
2026年1月26日〜2月12日投票順に新ヒーロー6体を実装。ロースター38体に
2026年1月30日ヒーローBAN実装
2026年5月Steamでウィッシュリスト1位。招待制アルファのまま
2026年7月30日ランクモード実装
2026年9月29日大型アップデート City Never Sleeps。マップを作り直し、中立モンスター Haunt などを追加
2026年10月3日〜新ヒーロー6体を順に実装(日本時間で10月3日 Rat King、10月7日 Baba、10月10日 Solomon、10月14日 Deadman Danny)。ロースター42体に(10月15日時点)

前史:Citadel、Neon Prime、そして作り直し

開発の始まりは2018年ごろとされます。最初にその存在が漏れたのは2019年、Dota 2のコードの中に Citadel という内部名が見つかったことでした。当時はHalf-Life関連ではないかと推測されていました。

面白いのは、この内部名が今も生きていることです。Deadlockをインストールすると、ゲーム本体は game/citadel/ というフォルダに入っています。MODを導入するときに触るのもこのフォルダです。

Neon Prime:SF路線だった時代

2020年から2022年にかけて、このプロジェクトは Neon Prime という名前でSF路線として作られていました。Valveは2022年10月にこの名前で商標を登録しています。

項目Neon Prime時代の設定
舞台Fracture という惑星。元は監獄惑星で、囚人が占拠して犯罪が合法の観光地になったという設定
試合の位置づけ市長候補の陣営を代表して戦う見世物の殺し合い
ビジュアル日本的な要素、カセットフューチャリズム、超常現象を混ぜたSF

現在の「1920年代ニューヨーク×オカルト」とは、舞台も時代も別物です。「陣営を背負った見世物の戦い」という骨格だけが残り、外側がすべて作り替えられたと考えると分かりやすいでしょう。

なぜ作り直したのか:ネオンが見えなかった

Neon Prime が開発終盤で中止になった理由は、テスターからの評価が芳しくなかったことです。そして最大の問題として挙げられているのが視認性でした。

エフェクトとモデルにネオンの発光を多用した結果、画面の中で何が起きているか読み取れなくなっていたのです。対人ゲームにとって、これは致命的です。敵がどこにいて何をしているか分からなければ、操作の上手さも判断の良さも意味を持ちません。

その後プロジェクトは Shadowline という名前を経て、現在のDeadlockになりました。落ち着いた色調の街並みと、輪郭のはっきりしたヒーローデザイン。今の見た目は「派手さを捨てて読みやすさを取った」結果だということです。

2024年:リークが公式発表を追い越した年

2023年の時点で、データマイナーは「数百人規模のテスターが遊んでいる」と報告していました。招待制のプレイテストは、フレンド招待で少しずつ人数を増やしていく方式です。守秘が建前でしたが、招待が連鎖すればするほど情報は漏れます。

2024年5月、テスターによる大規模なリークが起こり、前身がNeon Primeだったことと、SFから現在の路線へ転換していたことが明らかになりました。Valveは同じ5月の下旬に「Deadlock」の商標を登録しています。

そして2024年8月、Valveは方針を変えました。Steamストアページを公開し、NDAを解除し、配信や情報共有を解禁したのです。ページ公開前の時点で同時接続は約2万人。そこから1か月で跳ね上がります。

時期同時接続
2024年8月(ストアページ公開前)約 20,000人
2024年9月(ピーク)170,000人超
2026年1月(Old Gods, New Blood)100,000人

広告を一切打たず、正式発表もしていないゲームがSteamの同接上位に入る。前例のない現象でした。

2025年:遊ばれながら作り直された年

公認後のDeadlockは、人が遊んでいる横で土台を組み替えていきます。この年の変更は「調整」ではなく作り直しと呼ぶべき規模でした。

時期変更意味
2025年2月4レーン → 3レーンマップの根本的な再設計。レーンの人数配分も役割も全部変わった
2025年5月アイテムショップの刷新ビルドの組み方そのものが変わる
2025年5月2度目の非公開テスト開始より限定された環境で次の形を試す
2025年8月ビジュアルの刷新見た目の方向性をさらに整理
2025年8月新ヒーロー6体追加Mina、Billy、Doorman、Paige、Drifter、Victor

レーン数の変更は特に大きい話です。レーン配置の考え方で扱っている3レーン前提の内容は、2025年2月より前には存在しなかった考え方ということになります。

Hero Labs:終わった仕組み

2024年10月24日から2025年8月18日まで、Hero Labs という試験場が稼働していました。開発中のヒーローを、名前も能力も変わりうる前提で実際に遊べるモードです。通常戦を50試合こなすとアクセスでき、決められた時間帯だけ開催されました。

Hero Labsに登場した8体その後
Calico / Holliday / Sinclair / Vyper2025年1月17日に正式実装
Fathom / Raven / Trapper / Wrecker未実装のまま、モード終了とともに消滅

この仕組みは現在ありません。Valveが遊べる形で出したヒーローですら半分は実装に至らなかった、という事実は、リーク情報を読むときの目安にもなります。

2026年:38体到達と、競技化

Old Gods, New Blood と投票イベント

2026年1月22日、大型アップデート「Old Gods, New Blood」が公開されました。4v4の Street Brawl モードとPatronの再設計を含む内容で、同時接続は10万人に戻っています。

この更新が変わっていたのは、新ヒーロー6体を「どの順番で実装するか」をプレイヤー投票で決めたことです。1日1勝目で4票が配られ、3週間かけて毎週2体ずつ実装されました。

項目数字
総投票数60,776,963票
投票期間2026年1月22日〜2月9日
毎回勝者だけに投票し続けた人ちょうど600人
最大の票差Venator が Celeste を11ポイント差で上回った
個人の最多投票813票。しかも全部 Celeste に投じられた

最後の行には後日談があります。813票を集めるには19日間で1日13〜19時間遊び続ける必要がありました。そこまでして推した Celeste は、6体中5番目(下から2番目)の実装順に終わっています。

実装順は Rem(1月26日)→ Graves(1月29日)→ Silver(2月2日)→ Venator(2月5日)→ Celeste(2月9日)→ Apollo(2月12日)。これでロースターは38体になりました。

競技モードの整備

時期変更
2026年1月30日ヒーローBAN実装。1人1体を指定し、試合から2体除外される
2026年7月30日ランクモード実装。スタンダードと分離、シーズン制、試合前フェーズ、BANは3体に

2024年から2025年が「ゲームそのものを作り直す期間」だったとすれば、2026年は「競技として成立させる仕組みを載せる期間」だと言えます。詳細はランクモード実装 完全解説にまとめています。

現在地(2026年10月15日時点)

項目状態
公開形態招待制アルファのまま(Windows)
ヒーロー数42体(City Never Sleeps の新ヒーロー6体のうち4体が実装済み)
注目度2026年5月時点でSteamのウィッシュリスト1位
次のアップデート9月29日に City Never Sleeps を配信済み。新ヒーローの5体目は10月17日6時(日本時間)の実装が公式に告知されている。6体目の日程は未発表
正式リリース日程未発表

招待制のまま2年以上、ウィッシュリスト1位という状態は、それ自体が異例です。9月29日の大型アップデートの中身はCity Never Sleeps の解説記事にまとめています(配信前の予告の記録は次のアップデートはいつ・何が来る?)。

この歴史から読み取れること

読み取れること根拠
作り直すことを厭わないNeon Prime を開発終盤で中止。4レーンを3レーンに。アイテムショップも刷新
読みやすさを優先するネオンの多用による視認性低下が、作り直しの主因だった
公開の仕方が普通ではない広告なし・正式発表なしで同接17万人。リークが公式発表を追い越した
止めることもあるHero Labs は終了。実際に遊べた8体のうち4体は実装されていない
プレイヤーを巻き込む実装順を6,000万票の投票で決めた
編集部編集部

つまり「今ある仕様が来月もある保証はない」のがこのゲームの通常状態です。当サイトが数値に必ず確認日を添え、パッチのたびに見直しているのはこのためです。

目次

まとめ

  • 開発開始は2018年ごろ。内部名 Citadel は今もフォルダ名として残っている
  • SF路線の Neon Prime は開発終盤で中止。主因はネオンの多用による視認性の悪化
  • 2024年5月のリークが公式発表を追い越し、8月にValveが存在を認めた
  • 広告なしで2024年9月に同時接続17万人超
  • 2025年は4→3レーン、アイテム刷新、ビジュアル刷新と作り直しの年
  • Hero Labs は2025年8月に終了。登場した8体のうち実装は4体のみ
  • 2026年1月の Old Gods, New Blood で38体到達。実装順は6,077万票の投票で決まった
  • 2026年はBANとランクモードで競技としての形が整った年
  • 2026年9月29日に City Never Sleeps でマップを作り直し、10月から新ヒーローを順に実装中(10月15日時点で42体)。正式リリース日は未発表

関連記事:Deadlockの始め方/世界観とロア完全ガイド/ランクモード実装 完全解説/次のアップデートはいつ・何が来る?/なぜDeadlockは「発売前」なのに遊ばれ続けるのか

出典:開発経緯・同時接続数・更新履歴は Wikipedia「Deadlock (video game)」。Neon Prime の設定と中止理由は Deadlock Wiki「Neon Prime」、Hero Labs とヒーロー実装日は同Wiki各ページ。投票イベントの統計は PC Gamer(Valve公表値)。BAN・ランクモードの仕様は Valve 公式アップデート(2026年1月30日/7月30日)。確認日:2026年9月16日。開発中のタイトルのため、仕様は今後も変動します。

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