Deadlockは、ゲームの歴史でも珍しい経緯をたどっているタイトルです。正式発表なし、マーケティングなし、それでも同時接続十数万人。この記事では、その異例の歩みを振り返ります。新規プレイヤーが「このゲームは今どういう状態なのか」を理解する背景資料としてどうぞ。
※日付・数値は公開情報ベースの要約です。
前史:「Neon Prime」というコードネーム(〜2023年)
Deadlockの存在が最初に世に漏れたのは、正式発表ではなくリークでした。Valveが「Neon Prime」というコードネームのタイトルを開発しているという情報が2023年頃からコミュニティで囁かれ、当初はSF調の世界観だったとされます。後にアートディレクションが現在の「1920〜30年代ニューヨーク×オカルト」へ大きく転換したことも、開発中の柔軟な方向修正として知られています。
開発を率いるのは、IceFrog──Dota 2のバランス調整を長年支えてきた人物として知られる開発者です。DeadlockのMOBA的な骨格の深さは、この系譜に連なります。
2024年:招待制テストの静かな開始と爆発
2024年前半、Deadlockはごく限られたテスターへの招待制プレイテストとして静かに始まりました。特徴的だったのは「フレンド招待でテスターが増える」仕組みです。NDA(守秘)が建前だったにもかかわらず、招待の連鎖でプレイヤーは雪だるま式に増加。スクリーンショットや情報が漏れ続け、2024年夏には数十万人規模が遊ぶ「公然の秘密」となりました。
そして2024年8月、Valveは方針を転換します。Steamストアページを公開し、ゲームの存在を公式に認め、配信やコミュニティでの共有を解禁しました。マーケティングを一切打たないまま、同時接続は一時17万人前後に達したとされます。「発表前のゲームがSteamの同接ランキング上位に入る」という、前例のない光景でした。
2024年末〜2025年:作り直しながら走る
公認後のDeadlockは、「遊ばれながら作り直される」開発スタイルを続けます。この期間の大きな動きは次の通りです。
- Hero Labsの導入:テスト実装ヒーローを隔離した実験場で試せる仕組み。新ヒーローはここで揉まれてから本ロースターに昇格する流れが定着
- マップの大改修:レーン構成を含む根本的な作り替えが行われ、現在の4レーン構造へ(※マップは今後も改修されうる、が本サイトの前提です)
- ヒーローの継続追加:初期ロースターに加え、Holliday、Calico、Sinclair、Vyper、Mina、Doorman、Billy、Drifter、Paige、Victorらが順次参戦
- 一方で、同時接続はピークから落ち着き、開発チームが腰を据えて作り込む期間へ移行したとも評されました
2026年:「Old Gods, New Blood」と現在
2026年初頭には大型アップデートで新ヒーロー群(Rem、Graves、Silver、Venator、Celeste、Apollo)が一挙に追加され、ロースターは38体に到達。パッチは現在も高频度で続き、ゲームは招待制テストのまま、しかし内容は着実に「完成」へ向かっています。
正式リリース(またはオープン化)の時期は未発表です。ただ、Valveのタイトルが「出来た時に出る」ことは歴史が示す通りで、当サイトはその日に備えて情報を積み上げています(最新の入手方法は始め方の記事を参照)。
この歴史から分かる、Deadlockというゲームの性格
- 変わり続けることが前提:マップもヒーローも数値も、リリース前の今は「工事中」が正常です。当サイトの記事が対応パッチを明記し続けるのはこのため
- コミュニティと共に作られている:テスターのフィードバックが反映される開発体制。あなたの1件の報告も開発の材料です(マナーの記事参照)
- Valveの本気度:Dota 2の設計思想とシューターの融合という野心的な企画が、この規模のテストで磨かれ続けている──それ自体が、このゲームの将来性の証明と言えるでしょう
このサイトも、この「工事中の傑作」と一緒に育っていくつもりです。

